正確には「町田聖徳太子奉賛会」。計算の神様としても名高い聖徳太子は、全国的にも明治の末から大正初期の法隆寺再興に際して奉賛会が結成されています。指金(さしがね)などを扱って仕事をする大工を始め、畳職人、建具屋などが信仰する講と呼ばれる組織です。史実によれば、木の切り口に充てるだけで何枚の板がとれるかどうかを即座に割り出せる指金という道具は聖徳太子が大陸から導入したと伝えられています。
当社では毎年正月の21日に旧社殿で例祭を斎行されます。町田の太子講については詳細不明ですが、今も50戸近い会員がいます。時の流れと共に職人の組織も変わり、道具も進歩しているとしても、日々の安全や健康を願う気持ちは変わらないはずです。根本にあるべき精神を守り続ける限りは、講組織の継続は日本人の心を守ることにも通じると考えます。