暦の上では立春が過ぎ、早咲きの梅の枝を渡るメジロも賑やかになってまいりましたが、列島には執拗に寒波が居座り依然厳しい寒さの毎日ですが、皆様体調には十分ご留意ください。梅の開花もやや足踏みですが、ようやく手水舎裏の塒出錦(とやでのにしき)が開き始めました。手水舎の屋根下の枝だけ早く咲いたのには科学的な理由があります。通常なら屋根の下は日陰になりますから遅くなるはずですが、当社の手水舎は井戸水で水温が高く、手水舎の天井は気温よりやや温かくなっているからだと思われます。
塒出錦の「塒(とや)」はねぐらとも読み、鳥の巣穴、羽根を休める巣といった意味があります。確かに満開の時期には八重の大輪がひしめいて咲き、鳥が隠れるには良いのかもしれないと想像したり、春を待つ心は穏やかに思いを廻らせてくれるようです。