草木便り 平成29丁酉歳弥生20日 箱根空木の憂鬱

桜もいよいよ開花の予報日が迫り、待ち焦がれた春本番です。小さな富士桜が1本しかない当社境内ですが、枯れ木のように眠っていた木々の新芽が水瑞しく吹きだして春を知らせてくれます。3年前に鳥居前の階段脇に植えた箱根空木(ハコネウツギ)も目覚めたように芽吹き始めました。ただし残念なのは、紅白の花が咲き分けて美しいコントラストを魅せるハコネウツギですが、東北出身のかたがタニウツギと間違えてしまうことです。タニウツギは全体が薄紫で、東北、特に山形県地方ではお葬式で骨拾いに使う箸の素材にしたりするため、墓地に植えられるウツギで、別名「葬式花」や「死人花」と呼ばれるそうです。遠くから見ると当社のハコネウツギがタニウツギに見えてしまうのか、それともその類のウツギを一括りで縁起が悪いとしているのか、勘違いから境内にふさわしくないと言ってくださる方もいらっしゃいます。私の好きな花ですから、よくご覧になって愛でていただきたいものです。

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