梅便り 令和3年弥生7日

緊急事態宣言が2週間延長されましたが、再延長がなければ解除される頃に染井吉野が満開。解除と花見、タイミングがよろしくないと思うのは私だけでしょうか。桜の開花が間近になると、いよいよ境内の梅も遅咲きの楊貴妃で最後になります。というのは一昨年あたりまでで、楊貴妃と足並みを揃えて咲く梅が登場しました。まだ背丈は2mほどですが、豊後系なので成長が早く、花つきも良いようです。ただし、境内の豊後系の勞謙の花に別の梅の花粉がついてできた種から発芽したいわゆる実生で、数年間鉢で育てて境内デビューした新種ということになります。花は小粒でふくら咲き型、赤色が混じっていて、花によっては花弁の先端が赤いものもあって可愛らしい新種です。このまま色ぼけせずに大きくなってくれることを期待しています。いづれにしても3月まで楽しめる遅咲きの梅が増えたことは喜ばしいことです。

梅便り 令和3年如月27日

緊急事態宣言の段階的解除がリバウンドを呼ばないかどうか心配なところです。天気予報と同じで未来予想ですから難解ですが、経済と命、そもそも天秤にかける対象ではないものを計っているような気がします。
今日は冷たい風が吹き荒れて、早咲きの梅の花吹雪は横向きに飛ばされています。
鳥居脇の「思いのまま」が満開とな

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りました。遠目には白く見えますが、近寄ると赤い花がちらほらと混じっています。参拝の折には探してみてください。
社殿東側のしだれ梅(満月枝垂れ)と出世稲荷脇のミズキ科の山茱萸(サンシュユ)も見頃です。

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梅便り 令和3年如月20日

新型コロナウイルスが騒がれ始めてからとうとう1年になります。感染者数や重症者数は減少傾向にあるものの、そのペースが鈍化してきていることや、亡くなられる方が多いことなどから、単に濃厚接触者を追跡しなくなったことで減少しているだけで、実は目を見張るほど減っていないのかもしれませんね。
境内には2株の「思いのまま」があります。1株は神符授与所前の古木で、これは奉納者(故人)が思いのままだと言って奉納したもので、実際若木の時にはピンクと白に咲き分けておりましたが、半世紀余りを経過して全てが淡いピンクになってしまいました。つまり、一社の故実による思いのままです。一方、鳥居脇にある思いのままは品種名です。当初は大きな盆栽だったものを

数年前に地植えしたところ、水を得た魚の如く育っています。今年もようやく見頃を迎えつつあります。名の通り思いのままに白と濃いピンク色に咲き分けるのが特徴ですが、やはり先祖返りでしょうか、次第に赤い花の数は減って、葉にピンクの絞り模様が入ったものや、全体に薄いピンクになった花が多くなっています。八重咲きで華やかですが、いずれ全部薄いピンクになるのでしょうか。

梅便り 令和3年如月13日

咲き始めると慌ただしくなります。塒出錦(とやでにしき)と隣の月影が見頃になってきました。塒出錦がピンクの八重で賑やか。塒(とや)はねぐらとも読み、鳥の休息場所のようなやさしい意味を持ちます。青軸系の月影は一重で咢も緑色のため白が際立ちます。赤い色素の遺伝子を持っていない原種に近い梅です。

梅便り 令和3年如月12日

東京ではようやく新規感染者数も500を下回るようになり、当社の自粛態勢も緩和する方向で検討が始まっています。ただしワクチン接種の動向や気の緩みによる次の波を考えると、なんとも不確実な終息への歩みで、慌てず騒がず慎重にというところでしょうか。
境内の梅が順次見頃を迎えようとしています。思いのままや白加賀に遅れて、蝶の羽重ねもちらほら開花しています。赤い八重咲きでひときわ目立つ鹿児島紅は、去年大きくなりすぎた幹をばっさり抓めたので、今年は花が少ししかついていないのが残念です。

梅便り 令和3年如月2日

いよいよ緊急事態宣言も延長となるようです。経済の保護に舵をき

塒出錦

って対策が後手に回ったツケでしょうか。

思いのまま(鶯宿)

124年ぶりに節分が1日早くなった今日、密が避けられないため節分行事は中止となった静かな境内では、加賀や小梅の花数が少しずつ増え、思いのままや塒出錦(とや

でのにしき)もようやくほころんで参りました。

梅便り 令和3年睦月19日

静岡県で感染経路不明の変異ウイルス感染者が見つかり、いよいよ緊張感が高まってきたものの、まだ都内繁華街の人出は去年の4月ほど減らず、危機感を感じるほどの爆発的な感染拡大がない限りは、受け止め方は緩いままなのかと思うと末恐ろしく感じます。宗教法人に事業費補助は出ません。当社も4月の参拝者が半分になりましたが命あっての物種、出来得る限りの感染対策を講じています。
どの株も1輪ないし2輪ですが、境内で最も多い白加賀が開き始めました。

梅便り 令和3年睦月18日

新型コロナウイルスの状況は横這い。今年の場合は梅や桜が特に人の心を慰めてくれることと思いつつ、本当の春は遠いように感じられます。当社の9月の大祭もできるなら一昨年までのように賑やかに斎行したいという切なる思いは持ちつつ、オリンピック・パラリンピックの開催の可否を基準に考えることとしました。
悔しいとも羨ましいとも思えますが、境内の梅は淡々と蕾を膨らませはじめ、駐車場入り口脇の「薄羽睦月(うすばむつき)」(飛梅の実生種)が2輪開きました。

梅便り 令和二年師走二十五日終い天神

依然感染拡大が止まらないコロナ禍で迎える新年に向けて、神社は複雑な心境のまま淡々と準備を進めています。そんな中、まだ背丈にも満たない梅ですが、新年を待ちきれずに開花しました。花弁の形から小梅ではないかと思われますが、まだ果実をつけたことはありません。梅は春の予感を知らせてくれますが、日本中、世界中が穏やかな生活に立ち返る日こそ春なのでしょう。神様は引っ越しません。あわてずに時期をみてご挨拶に参りましょう。

令和二年秋季例大祭当日

コロナ禍の今年、様々な行事や社務が縮小され、本日斎行される例大祭式典も参列者は氏子総代と正副祭典委員長のみ。本来なら60名余りが参列する式典もソーシャルディスタンスぎりぎりの11名です。例年なら狭い境内に100店がひしめき、迷子が出るほどの混雑になりますが、今年はいつもの静かな境内です。そして明日の神幸祭(神輿巡幸)もできず、各町内会は神酒所を設けません。
夜店もなく神輿も出ないとなれば「お祭は無い」と思われてしまうのは残念です。お祭は年に一度の御祭神のお祝いの日です。式典は粛々と斎行されます。境内で準備する店のざわめきもなく、静かに斎行されますが、式の進行、神饌物はいつも通りです。ただし私が奏上する祝詞は少し違います。例大祭の祭詞にコロナウイルス終息の祈願詞が追加されます。
いざ本番の日を迎えると、余りの静けさにわかっていても夢のように感じてしまいます。当社の例大祭は彼岸中、いつものように境内には彼岸花があちこちに咲き誇ります。それもまた、大賑わいの祭となれば、神輿を見物しようと玉垣に詰め寄る人垣に少なからずつぶされたりしますが、今年は安心して満開になろうとしています。皮肉なものです。秋雨に濡れる萩がゆれています。当社祭礼の名物「雨の天神様」だけは健在なようです。