迷走した末に九州、四国、南紀を突き抜けた台風一過の今日、空は晴れわたり汗ばむほどの好天。昨年に続き縮小して斎行される秋季例大祭を来週に控え、神職だけで幟を掲揚しました。年に一度の神様をお祝いする日、宮神輿巡幸や境内を埋める出店も中止となり、参列人数を制限しての式典だけ予定されています。それでも決して式の内容は厳粛に、お供え物はいつも通り豪華にします。祝詞は去年同様に「コロナの早期終息祈願詞」が加えられます。
青空にはためく幟を見上げ、囃子が賑やかに祭を知らせ、各町内会が神輿を担ぎ渡し、境内に100店余りの露店がひしめき、神楽殿で神楽や和太鼓が披露される、当たり前だった一昨年までの祭りに早く戻るよう祈るばかりです。
投稿者「宮司」のアーカイブ
楠の枝降ろし
長引くコロナ禍の自粛生活で、さぞやストレスの溜まることも多いかと存じます
が、大切な人々のためもうひと頑張りです。そもそも、コロナウイルスはほぼ人体の中でしか生きられない弱いものです。ワクチンが概ね行き渡ればウイルスは生きる場所を失います。来年の今頃はインフルエンザ並みのレベルになっているはずです。
さて、人流を抑え密を避ける対策は、神社も大きな影響を受けました。
そんな中、いよいよ楠の大木の枝降ろしをしなければならない年になり、7年ぶりに大型クレーン車と高所作業車による枝降ろし作業が開始されました。ご参拝の際にはご注意下さい。
梅便り 令和3年弥生7日
緊急事態宣言が2週間延長されましたが、再延長がなければ解除される頃に染井吉野が満開。解除と花見、タイミングがよろしくないと思うのは私だけでしょうか。桜の開花が間近になると、いよいよ境内の梅も遅咲きの楊貴妃で最後になります。というのは一昨年あたりまでで、楊貴妃と足並みを揃えて咲く梅が登場しました。まだ背丈は2mほどですが、豊後系なので成長が早く、花つきも良いようです。ただし、境内の豊後系の勞謙の花に別の梅の花粉がついてできた種から発芽したいわゆる実生で、数年間鉢で育てて境内デビューした新種ということになります。花は小粒でふくら咲き型、赤色が混じっていて、花によっては花弁の先端が赤いものもあって可愛らしい新種です。このまま色ぼけせずに大きくなってくれることを期待しています。いづれにしても3月まで楽しめる遅咲きの梅が増えたことは喜ばしいことです。
梅便り 令和3年如月27日
緊急事態宣言の段階的解除がリバウンドを呼ばないかどうか心配なところです。天気予報と同じで未来予想ですから難解ですが、経済と命、そもそも天秤にかける対象ではないものを計っているような気がします。
今日は冷たい風が吹き荒れて、早咲きの梅の花吹雪は横向きに飛ばされています。
鳥居脇の「思いのまま」が満開とな
りました。遠目には白く見えますが、近寄ると赤い花がちらほらと混じっています。参拝の折には探してみてください。
社殿東側のしだれ梅(満月枝垂れ)と出世稲荷脇のミズキ科の山茱萸(サンシュユ)も見頃です。
梅便り 令和3年如月20日
新型コロナウイルスが騒がれ始めてからとうとう1年になります。感染者数や重症者数は減少傾向にあるものの、そのペースが鈍化してきていることや、亡くなられる方が多いことなどから、単に濃厚接触者を追跡しなくなったことで減少しているだけで、実は目を見張るほど減っていないのかもしれませんね。
境内には2株の「思いのまま」があります。1株は神符授与所前の古木で、これは奉納者(故人)が思いのままだと言って奉納したもので、実際若木の時にはピンクと白に咲き分けておりましたが、半世紀余りを経過して全てが淡いピンクになってしまいました。つまり、一社の故実による思いのままです。一方、鳥居脇にある思いのままは品種名です。当初は大きな盆栽だったものを
数年前に地植えしたところ、水を得た魚の如く育っています。今年もようやく見頃を迎えつつあります。名の通り思いのままに白と濃いピンク色に咲き分けるのが特徴ですが、やはり先祖返りでしょうか、次第に赤い花の数は減って、葉にピンクの絞り模様が入ったものや、全体に薄いピンクになった花が多くなっています。八重咲きで華やかですが、いずれ全部薄いピンクになるのでしょうか。