梅便り 令和2年4月8日

見えないウイルスのために異例の事態に突入しています。当社でも東京都神社庁の指示を受け、日々の日供祭と清掃以外は一切停止となりました。ワクチンや特効薬ができない限りはこの状況が続くのでしょう。

人類の危機など関係なく、草木は春を迎えて花を咲かせ、新芽を吹き出しています。いつもと違ってそれらに違和感を感じてしまうのは、「人間が地球の中心」という意識が、少なからず私にもあるからでしょう。草木は季節に呼応してひたむきに生きているだけです。いつもと変わらず、いや、多少人間の仕業による環境の悪化や気候変動を迷惑に感じながら、淡々と生きています。梅もかわいらしい果実を膨らませています。写真は青軸系緑咢の月影と小梅の結衣です。不要不急の外出を控えて気晴らしに散歩をするかたが増えていますから、この機会に草木に興味を持たれる方も増えるのではないでしょうか。室内で変わらない景色を眺めて終息を待つよりも、日々変化していく草木を見て時をかせぐ方がよいかと思います。

梅便り 平成31己亥歳弥生11日

久しぶりにまとまった雨が降り、花粉も少しは落ち着いてくれたのでしょうか。
境内の梅はいよいよ終盤。楊貴妃が波打ち八重の花弁を開き始めました。

DSC_0008

梅ではありませんが、山茱萸も満開です。ひとつひとつは小さな花なので、近くで見ないと満開かどうか判断が難しいのですが・・・。

DSC_0012

桜にバトンタッチするのも間近です。

梅便り 平成31己亥歳如月26日

いよいよ暖かな日が多くなり、当社の梅も豊後系がほころび始めています。出世稲荷社前には鳥居を挟んで梅と山茱萸が、大鳥居脇の思いのままはいくつか赤花が混じっています。手水舎裏の白加賀と塒出錦は紅白賑やかに重なり合い、旧社殿前の飛梅、社殿脇の満月枝垂れも見頃です。梅の時期も後半になってきました。

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

梅便り 平成31己亥歳如月廿日

今日はポカポカ陽気。境内の梅の蜜をついばむメジロたちも忙しそうです。月影と塒出錦が紅白に交わり、すでに思いのまま(一社の故実による)は花吹雪。競うように出世稲荷社前の山茱萸(さんしゅゆ)がほころび始めました。

月影と塒出錦

思いのまま(故実)

山茱萸

山茱萸

立春(旧正月)

ポカポカと温かく、まさに立春が春立つと書くような陽気。昨日は節分祭が賑やかに執り行われ、鬼打ちで厄を祓って清々しい気持ちで今日を迎えた人は少なくないはず。節分の豆まきが一般に流行する以前は、皇室の大晦日に行なわれる追儺の行事でした。やはり災厄を打ち払う意味で行われていましたが、撒いていたのは大豆に限らず穀類であったということです。これが庶民に伝わり手ごろな大豆が定着したということでしょう。もし、元旦も新暦(西洋歴)ではなく旧暦のままであったなら、大晦日に節分行事をして、翌日は初詣と忙しいことになっていたでしょう。明治以前は今日が新年元旦ですから、七草の素材も野で採ることができたのも、旧暦1月7日であったからです。無理やり新暦7日に七草といっても、野はまだ真冬ですから売っているもので間に合わせるしかありません。もう少し旧暦とうまく付き合わないと、日本人の季節感がずれていってしまうように思います。

Exif_JPEG_PICTURE

人間を一旦傍らに置いて考えれば、暦など関係のない草花は淡々と季節の変化に合わせて生きています。日本人の体内時計を草花に合わせていけば、本来の在るべき生き方に戻していけるような気がします。
境内では鹿児島紅と故実の思いのままが見頃です。飛梅も少しほころんできました。
真冬に頑張ってきた蝋梅を引継ぐように、シナマンサクの花がほどけて、ミツマタも外側からポツポツと開き始め、山茱萸(さんしゅゆ)も暖かな陽気に固い蕾を緩めています。

Exif_JPEG_PICTURE

さんしゅゆ

春は足早に

境内の梅もいよいよほころんでくるかと待ちわびていた先月末のこと、不覚にも流行り病に侵されてしまいました。宮司がタミフル飲みながら約1週間の軟禁状態でも、年頭の神社行事は淡々と行

DSC_0008

われていきます。今回は4名しかいない神職が私を含め2名インフルエンザにやられるという非常事態でした。太子講例祭と初天神祭を奉仕できなかったのは初めてのことです。

待ちわびていた梅たちも私が熱と闘っている間に次々と開花。時間が止まっていたのは私だけでした。2月に入り暖かな日が続いて、今日は初午。初午はお稲荷さんの年1回の例祭日です。毎年、初午と12日後の二の午には、件数こそ減ったものの数社のお稲荷さんを廻ります。林の中に佇む社もあれば、建物の屋上やベ

DSC_0003

ランダに鎮座する稲荷社もあります。例年、午前9時に当社境内の出世稲荷社を奉仕してから、会社や個人宅の稲荷社の奉仕に出掛けますが、今年は日の巡りで特に初午が早かったため、14日の二の午に集中しています。

タウンニュース掲載コラム 其の17 カラスウリ

ホバリングするものと言えばヘリコプターやドローンが思い浮かぶが、操縦ミスで事故続きのオスプレイや、ジェット戦闘機のハリアーもそうだ。ホバリングを訳すと飛行定位であろうか。つまり浮かんで動かない状態を指す。人間が身体一つでできるのは水中での定位だけだが、これもかなりの技術を要する。鳥類には長時間ホバリングできる種類がいる。例えばハチドリ、カワセミやヤマセミ。カワセミは獲物を狙う時にホバリングして狙いを定め、一気に急降下する。時には自分の羽根を水面に落とし、虫と間違えて水面に浮上してきた魚を仕留める芸当もするらしい。

今年の夏は長そうだ。湿度も高く、蒸し暑い上によく降る。台風も次々にやってきて、台風一過ならぬ台風一家のようだ。そんな夏の夜、夜の貴婦人と勝手に呼んでいる花が境内の片隅で咲いている。小野路の林で実を採ってきて種まきし、5年経ってようやく咲いたカラスウリの花だ。何故カラスなのかわからないが、とかく植物にはカラスやスズメが名前に登場する。カラスノエンドウ、カラスビシャク、スズメガヤ、スズメノテッポウなど。カラスウリの花は夜しか咲かない。鳥が種を運び、しばしば生垣などに絡んでいるのを見かけるが、葉の色は鈍く見栄えがしない上に繁茂すると手に負えないから、大抵駆除されてしまうようだ。また、もっと月明りに映えるような花びらにすれば良いものをほとんどがレースのように網状になっているから、直径5センチ程度の花は、暗がりで咲いていると肉眼では見つけ辛いほど。それでも、夜に散歩をすればどこかしらに見つけられるくらいポピュラーだ。撮影していてふと疑問に思った。「このレースを纏った貴婦人が誘っているのはどんな虫なんだろう」と。さっそく調べてみると、なんと私の好きなスズメガの仲間たち。幼虫が成長に従って模様を変えていくのも面白い。写真左上は模様がコミカルなセスジスズメの若い幼虫で、虫が苦手という方のために敢えて終齢幼虫は避けた。成虫の中ではウンモンスズメ(写真左下)が素晴らしいと思う。先祖から引き継いだ自分の姿を鏡で見たことはあるのだろうか。中でもスズメガ科のホウジャクの仲間はハチドリに酷似している。カラスウリの蜜は花の柄のかなり奥にあり、まだ目撃はしていないが蜜を吸う様子が目に浮かぶようだ。近くにあるクチナシに毎年ホウジャク亜科のオオスカシバの幼虫がいるから、きっと成虫がカラスウリの吸蜜に来ているにちがいない。写真に収めたいと思うが、いつ飛来するかわからないスズメガを待って、灯もつけずに暗がりでじっとカラスウリを凝視し続けるのはきつい。そして怪しい。更に藪蚊とのバトルだ。確実に負ける。

とりあえず、この貴婦人のお相手が判明してひと安心。たとえ目につかなくても地道で逞しい営みを続ける草木があって、さらに虫というパートナーもいる。葉を食べさせる草があって、花に誘われて蜜をご馳走になるかわりに、まんまと受粉作業を手伝わされる虫がいる。受粉して実をつければ鳥が食べて種を落とし発芽する。この絶妙なサイクルに人間は手出しをしてはいけないと思う。自然を労わり、思いやり、うまく付き合っていく。人間社会の付き合いもそうありたいと望むように、自然とのつきあいも同じでありたい。日々のせわしなさに流されてしまう自分を時折もう一人の自分に眺めさせ、身の回りが騒がしいときは、人も心をホバリングさせて、時間や景色をドローンのように見渡してみることも大切かもしれない。人も草木も虫も地球上の生物で、大小に関係なく命は一つしか持ち合わせず、生まれたからには死亡率は100%。どう共存するか考えてみるのも良いことだし、そんな時間がリラクゼーションにもなる。

ウィキペディアで調べるのも考えものだ。たくさん花をつけるのが雄株だということも分かってしまい、つまり貴婦人と呼んでいたのにオスだった。なんてことだ。

梅便り 平成30年戊戌歳弥生14日

5月のような暖かさの今日、いよいよ当社境内の梅は最も遅咲きの2株、「楊貴妃」と「ふくらしぼり」が見頃になっています。来週には桜の開花予想も出ていて、特に寒さが厳しかった1月2月が嘘のようです。
楊貴妃は八重の紅梅で、確かに楊貴妃の衣を連想させる波打つ花弁が特徴的です。ふくらしぼりは豊後系の種から育てた実生で、私が勝手に命名しました。どの梅の花粉を受粉したのかわかりませんが。花弁が小型で一枚ずつ丸く巻いている上に少し色合いに絞りがあり、独特の個性を発揮しています。

楊貴妃

ふくらしぼり

梅便り 平成30年戊戌歳弥生11日

東北の震災より早7年、日待ち梅の販売も6年になったということですね。先が見えない原発の廃炉作業。被害を被った人々の心のケアも含めると、10年以上かかって50兆円が必要との試算も出ています。廃炉で出たゴミの処理方法も模索中で、100パーセント安全でないことが証明されてしまった原発を国は海外に輸出しようとしているなんて、常識的に考えられないことだと思いますがいかがでしょう。今年に入り、患者への負担もなく、副作用もなく、しかも安価で、末期がんを一日で治す治療法が発表され、再来年あたりから実用化されるということで、世間がざわつき始めていますが、放射能もたちどころに無力化するようなものが開発されたなら、私はその開発者を生き神様としてお祀りしたいと思います。被爆して甲状腺ガンの不安を抱える子どもたちの心が救われることが何よりです。
飛梅と枝垂れ梅が満開となりました。いよいよ開花を待つのは楊貴妃だけとなりました。ミズキ科の山茱萸とミツマタも負けじと満開です。

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE