梅便り花便り 令和七乙巳年弥生二十六日

桜の開花が報じられ、カリンやコガクウツギの新芽や蕾が吹きだす春、各地で相次ぐ山林火災、花粉に黄砂と、決してうららかな春にうかつに深呼吸もできない。今日はここ町田市は28度という夏日予想。今からこんな気温では、夏は一体どうなるのやら。梅はもう淡い毛に包まれた実ができている。
一般的な赤い椿は藪椿、山椿などの総称。幹、葉、種はそれぞれ有用で、花も天ぷらなどで食べられる優れもの。大船渡も椿が有名。相当な数の椿が灰になってしまったことだろう。山茶花は花びらがハラハラと散るのに対して、椿の散り方は、花が丸ごとひとつ落ちるから、縁起が悪いとして病室には飾らない。我々にとっては、丸ごと落ちる水分の多い花は風に流れにくいから掃除には有難い。椿の足元にあるコガクウツギは若葉を吹きだしたばかりだけれど、落ちた椿の花が乗ってお洒落をしているようにも見える。花梨は若葉と蕾が同時に出てくるが、もう独特な薄紅色の花が、閉じた傘のように巻かれている。

梅便り 令和七乙巳年如月十六日

残念ながら今年も花粉症の時期になってしまいました。例年より多いという予報です。特に重症のかた、喜べない春の使者ですが、頑張りましょう。私もしばらくは鼻声の祝詞になりますがご容赦ください。
小梅や白加賀が見頃となり、天神様に縁の深い飛梅(とびうめ)も少しずつ花を増やしています。日々少しずつほころんでくる梅が、暖かな春へのカウントダウンのようですが、梅の下のみつまたもふかふかの蕾がほどけてきています。まるで伸びをするように、草木も目覚め始めています。

梅便り 弥生10日

再来週あたりに桜の開花予想が出ているようです。境内ではようやく最後の梅「楊貴妃」が咲き始めました。今年は時ならぬ重い雪で蝶の羽重ねと青軸系の月影が倒れてしまいました。どちらも枯れてしまうようなことはありませんが、来年はきちんと備えるようにします。どちらも1品種1本ずつしかない梅ですから、大切にしなければ、そして東京の雪はごくたまにしか降らないからこそなめてはいけませんね。
出世稲荷社脇の山茱萸(サンシュユ)も開ききりました。花の脇から若葉が吹いてくるころにはすっかり春でしょうね。

梅便り 令和5年弥生8日

とうとう桜の開花予想の話題が出るようになりましたから、梅の季節は終わりが近づいています。満開になっているのは鳥居脇の「思いのまま」と御祭神縁の「飛梅」。社殿脇には5分咲きくらいの「満月枝垂れ」。ようやく咲き始めたのは「楊貴妃」です。梅ではなくミズキ科ですが、出世稲荷社脇の「山茱萸」も満開です。冬と春を繋ぐように咲いてくれる梅や山茱萸に感謝です。

草木便り 令和4年弥生16日

梅の楊貴妃とひなあられが満開になる頃、出世稲荷脇の山茱萸(さんしゅゆ)もしたたかに満開。当社境内の山茱萸は本来の樹形とはかなり違います。普通なら根元からてっぺんにかけての幹に枝をたくさん伸ばして天を目指すからイメージとしては図のような形になります。ところが、当社境内の山茱萸はキノコ型です。これには境内ならではの理由があります。九月の例大祭や毎月1日の骨董市など、多くの出店がある境内では、この山茱萸だけでなく、梅も露店の設営に邪魔にならないよう下枝をまめに伐ります。そして上を目指す枝は手入れができなくなるためカットし、横向きの枝を残します。かくして山茱萸は幹から枝を伸ばすのを諦め、キノコ型で生きることになってしまいました。

草木便り 令和4年如月21日

今年の2月10日初午(はつうま)に赤い稲荷鳥居が1基奉納されました。旧暦には日毎に十二支があります。よくご存じのところでは、熊手を売る酉の市。11月の酉の日に開かれる市で、12日に1度行われますから、11月中に2回の年と3回の年があり、酉の日が3回ある年は火事が多いという言い伝えがあります。初午は2月最初の午の日のことで、年に一度のお稲荷様の例祭日です。今年は新しい鳥居を奉納されたヤマギワPCサービスの代表の方も参列してくださり、境内社ですから盛大ではないものの、祭壇にお供え物を揃えて厳粛に禰宜が奉仕致しました。その初午の頃、春の様子をうかがうようにほどけ始めたシナマンサクの花が、今日はすっかりほどけきっていました。鳥居脇の山茱萸(さんしゅゆ)はまだ小さい玉のような蕾から少しだけ顔をのぞかせて春を待っているようです。

楠の枝降ろし

 長引くコロナ禍の自粛生活で、さぞやストレスの溜まることも多いかと存じます
が、大切な人々のためもうひと頑張りです。そもそも、コロナウイルスはほぼ人体の中でしか生きられない弱いものです。ワクチンが概ね行き渡ればウイルスは生きる場所を失います。来年の今頃はインフルエンザ並みのレベルになっているはずです。
さて、人流を抑え密を避ける対策は、神社も大きな影響を受けました。

そんな中、いよいよ楠の大木の枝降ろしをしなければならない年になり、7年ぶりに大型クレーン車と高所作業車による枝降ろし作業が開始されました。ご参拝の際にはご注意下さい。

梅便り 令和3年如月27日

緊急事態宣言の段階的解除がリバウンドを呼ばないかどうか心配なところです。天気予報と同じで未来予想ですから難解ですが、経済と命、そもそも天秤にかける対象ではないものを計っているような気がします。
今日は冷たい風が吹き荒れて、早咲きの梅の花吹雪は横向きに飛ばされています。
鳥居脇の「思いのまま」が満開とな

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りました。遠目には白く見えますが、近寄ると赤い花がちらほらと混じっています。参拝の折には探してみてください。
社殿東側のしだれ梅(満月枝垂れ)と出世稲荷脇のミズキ科の山茱萸(サンシュユ)も見頃です。

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