梅便り 令和4年如月21日

春の訪れは来週以降になるようです。境内の梅も様子を伺うように少しずつ花を増やしています。神符授与所前の思いのままがもう少しで見頃です。白加賀や月影、蝶の羽重(ちょうのはがさね)はやっと数輪。ただし、全体として開花は例年より1週間余り遅れていますが、遅咲き組はそうでもなさそうですから、来週以降賑やかになるのではないでしょうか。いつも感じることですが、ソメイヨシノのように一斉に咲き一斉に散るのとは違い、梅の開花はじっくりゆっくりです。

梅便り 令和4如月11日

今年の初午はあいにくの霙。各所の稲荷社例祭でしたが装束がよく濡れました。かえってしっかりと凍った雪の方が濡れずに済んだのではないかとも思ってしまいますが、それはそれで関東は大混乱。コロナで救急車がなかなか来ないのに、転倒して怪我する人、車のスリップ事故など、ますます救急車が足りなくなる事態になりますから困ったことですね。
それほど気温が下がらなかったお陰で、膨らみかけている梅の蕾もホッとしたのではないでしょうか。温暖化が騒がれているのに、今年の冬はいつもより寒い日が多く感じられ、梅の開花も遅くなっているようです。一重の薄いピンク色は「思いのまま(故実による)」、少し丸い白花は冬至梅、赤い八重咲は塒出錦(とやでにしき)、花びらの先がやや尖っているのが小梅の「結衣(ゆい)」です。まだまだ一部咲きにもなっていませんが、日々花の数を増やしています。春はもうすぐです。

梅便り 令和4年如月4日

コロナ禍で2年続けて節分行事が中止となり、
本来疫病や災厄を追い払うための豆まき行事が、密を避けるために中止されるとは、何とも複雑な思いです。そんな人の気持ちを知ってか知らずか、境内の梅の蕾はだいぶ膨らんでまいりました。ようやく飛梅(とびうめ)の実生(みしょう=種から育った亜種)「薄羽睦月」が八重の花を三分ほどつけました。命名したのは私です。旧社殿前の飛梅の花に他の梅の花粉が付いて、できた果実の種は別の遺伝子がプラスされます。種から育った木を実生(みしょう、またはみせい)と呼び、いわゆるミックスになります。この飛梅の実生は花が飛梅よりやや小さいこと、成長が早いこと、花弁が薄いこと、そして何より早咲きであるなど、親の飛梅とは性格がだいぶ違います。花弁が薄いことと1月に開花することから、「薄羽睦月」と命名しました。

梅便り 令和3年弥生7日

緊急事態宣言が2週間延長されましたが、再延長がなければ解除される頃に染井吉野が満開。解除と花見、タイミングがよろしくないと思うのは私だけでしょうか。桜の開花が間近になると、いよいよ境内の梅も遅咲きの楊貴妃で最後になります。というのは一昨年あたりまでで、楊貴妃と足並みを揃えて咲く梅が登場しました。まだ背丈は2mほどですが、豊後系なので成長が早く、花つきも良いようです。ただし、境内の豊後系の勞謙の花に別の梅の花粉がついてできた種から発芽したいわゆる実生で、数年間鉢で育てて境内デビューした新種ということになります。花は小粒でふくら咲き型、赤色が混じっていて、花によっては花弁の先端が赤いものもあって可愛らしい新種です。このまま色ぼけせずに大きくなってくれることを期待しています。いづれにしても3月まで楽しめる遅咲きの梅が増えたことは喜ばしいことです。

梅便り 令和3年如月27日

緊急事態宣言の段階的解除がリバウンドを呼ばないかどうか心配なところです。天気予報と同じで未来予想ですから難解ですが、経済と命、そもそも天秤にかける対象ではないものを計っているような気がします。
今日は冷たい風が吹き荒れて、早咲きの梅の花吹雪は横向きに飛ばされています。
鳥居脇の「思いのまま」が満開とな

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りました。遠目には白く見えますが、近寄ると赤い花がちらほらと混じっています。参拝の折には探してみてください。
社殿東側のしだれ梅(満月枝垂れ)と出世稲荷脇のミズキ科の山茱萸(サンシュユ)も見頃です。

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梅便り 令和3年如月20日

新型コロナウイルスが騒がれ始めてからとうとう1年になります。感染者数や重症者数は減少傾向にあるものの、そのペースが鈍化してきていることや、亡くなられる方が多いことなどから、単に濃厚接触者を追跡しなくなったことで減少しているだけで、実は目を見張るほど減っていないのかもしれませんね。
境内には2株の「思いのまま」があります。1株は神符授与所前の古木で、これは奉納者(故人)が思いのままだと言って奉納したもので、実際若木の時にはピンクと白に咲き分けておりましたが、半世紀余りを経過して全てが淡いピンクになってしまいました。つまり、一社の故実による思いのままです。一方、鳥居脇にある思いのままは品種名です。当初は大きな盆栽だったものを

数年前に地植えしたところ、水を得た魚の如く育っています。今年もようやく見頃を迎えつつあります。名の通り思いのままに白と濃いピンク色に咲き分けるのが特徴ですが、やはり先祖返りでしょうか、次第に赤い花の数は減って、葉にピンクの絞り模様が入ったものや、全体に薄いピンクになった花が多くなっています。八重咲きで華やかですが、いずれ全部薄いピンクになるのでしょうか。

梅便り 令和3年如月13日

咲き始めると慌ただしくなります。塒出錦(とやでにしき)と隣の月影が見頃になってきました。塒出錦がピンクの八重で賑やか。塒(とや)はねぐらとも読み、鳥の休息場所のようなやさしい意味を持ちます。青軸系の月影は一重で咢も緑色のため白が際立ちます。赤い色素の遺伝子を持っていない原種に近い梅です。

梅便り 令和3年如月12日

東京ではようやく新規感染者数も500を下回るようになり、当社の自粛態勢も緩和する方向で検討が始まっています。ただしワクチン接種の動向や気の緩みによる次の波を考えると、なんとも不確実な終息への歩みで、慌てず騒がず慎重にというところでしょうか。
境内の梅が順次見頃を迎えようとしています。思いのままや白加賀に遅れて、蝶の羽重ねもちらほら開花しています。赤い八重咲きでひときわ目立つ鹿児島紅は、去年大きくなりすぎた幹をばっさり抓めたので、今年は花が少ししかついていないのが残念です。

梅便り 令和3年如月2日

いよいよ緊急事態宣言も延長となるようです。経済の保護に舵をき

塒出錦

って対策が後手に回ったツケでしょうか。

思いのまま(鶯宿)

124年ぶりに節分が1日早くなった今日、密が避けられないため節分行事は中止となった静かな境内では、加賀や小梅の花数が少しずつ増え、思いのままや塒出錦(とや

でのにしき)もようやくほころんで参りました。

梅便り 令和3年睦月19日

静岡県で感染経路不明の変異ウイルス感染者が見つかり、いよいよ緊張感が高まってきたものの、まだ都内繁華街の人出は去年の4月ほど減らず、危機感を感じるほどの爆発的な感染拡大がない限りは、受け止め方は緩いままなのかと思うと末恐ろしく感じます。宗教法人に事業費補助は出ません。当社も4月の参拝者が半分になりましたが命あっての物種、出来得る限りの感染対策を講じています。
どの株も1輪ないし2輪ですが、境内で最も多い白加賀が開き始めました。