出世稲荷脇の山朱萸(さんしゅゆ)も待ちきれない春を覗きだしました。もうすぐ稲荷鳥居をはさんで豊後梅も咲き始めれば、12日の初午は稲荷社の両脇が華やかになりそうです。
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梅便り 平成29年丁酉歳睦月19日
蠟梅は概ね例年通り咲いていますが、梅は季節の変化に敏感なようです。当社には10種類ほどの梅がありますが、今年は1月初旬の温かさで開花が2週間近く早まってしまっています。蠟梅と梅の花が咲き揃うのは初めてではないでしょうか。
当社には2種類の「思いのまま」があります。一つは鳥居脇にあり、まだ植えて数年です。これは市販されている思いのままという品種で、花は八重で一輪すべてが紅梅や白梅だったり、白梅の花弁が一部だけ赤かったりと、色のさしかたが様々です。この梅は遅咲きで、2月初旬頃に咲くと思います。
もう1株は植えて数十年を経て老木になりつつある思いのままで当社の故実による命名です。近隣の信仰者より奉納された時には紅白に咲き分けていましたので、この梅をオリジナルの絵馬にデザインしました。ところが、奉納者が高齢になり参拝もままならなくなるにつれ、不思議なことに咲き分けの色が次第に薄くなっていきました。今は当時の咲き分けの名残が少し観られるくらいです。わずかな色合いの違いがわかるでしょうか。
草木便り 卯月17日
東北の震災からまる5年が過ぎ、もどかしいほどに復興は進んでいません。支援のために販売している日待ち梅もあとわずか。完売したら残りの30万円を陸前高田市に送ろうと考えていましたが、やはりまる5年を迎えた3月は好調に売れましたが、それもなかなか長続きせず、とりあえず20万円を送金しようと思います。
当社では次なる支援を模索中でした。国内でも続けている人が少ない「馬搬(ばはん)」という職種があります。岩手県で切られた間伐材を単純なものに加工して販売しようかと思案しておりました。ところが、今度は熊本で大地震。日本は自然災害のテンポが早過ぎます。日待ち梅は東北のためのものですから継続しますが、熊本へも心が向かうのは仕方のないことです。ハード面の東北の復興状況はまだ3割程度。故郷から離れて戻れない人は20万人。すぐに熊本へ心をチェンジすることなんてできませんよね。
明け方からの強風と雨は台風並みでした。菊桃が盛期でしたが花弁はかなり叩き落されています。自然は情け無用です。
草木便り 弥生20日
草木便り 弥生18日
草木便り 弥生8日
当社の梅は概ねキノコ型です。秋の大祭には100店ほどの夜店が出るため下枝は払います。素人である我々が手入れをするため上に伸びる枝は伐ります。するとキノコ型になっていきます。稲荷社脇の山茱萸(サンシュユ)も、本来は幹の根元からたくさんの枝を出し、通常なら外観はロウソクの炎の形みたいになりますが、梅同様に手入れするためキノコ型になっています。秋祭りで夜店の屋根が当たれば、かわいそうだけど枝を伐ります。
ミズキ科の山茱萸は秋にグミのような赤い実をつけます。これで作った果実酒は薬効があるとされていますが、決して美味しいとは言えません。美味しくないです。花は今が盛期で、よくよく見るとなんともコミカルな形です。この時期は
しばしお稲荷さんは梅と山茱萸を左右に見ながらお和みいただきます。
梅便り 如月20日
梅便り 如月13日
梅便り 如月11日
建国記念日の今日、風もやさしく穏やかな祝日です。境内の梅も見頃になってまいりました。手水舎脇の結衣(小梅)と塒出錦は満開です。隣の月影も花数が増えてきました。西日に照らされて、梅の花は裏側から見てもなかなか素敵です。
小梅はたくさん花をつけますから賑やかですね。蜜を吸いにメジロがせわしくつつくので、時折花びらが舞います。
塒出錦は果実同様に蜜も渋いのでしょうか。メジロたちは好まないようです。
境内で白加賀の株数が多いのは、当社の神紋が加賀梅鉢だからです。20株ほどあるでしょうか。見頃は来週あたりかと思います。
上の白加賀と比べてみてください。月影は青軸系緑咢に属していて、咢の色も緑です。それが透けて前から見ると淡い黄緑が白い花弁に映って、独特の個性を醸しています。
ほんの短い期間ですが、日本人は命がみなぎって吹きだしてくる春の入口が大好きです。もうすぐそこまで来ていますね。梅ではありませんがミズキ科の山茱萸(さんしゅゆ)も堅い蕾を開き始めたようです。